サイマルゆかりのおすすめ書籍7選【通訳者・翻訳者の本棚から・番外編】

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サイマルで活躍中のプロが、通訳者翻訳者人生にかかわる1冊を紹介する「通訳者翻訳者の本棚から」。今回は、番外編としてサイマルにゆかりの書籍をいくつかご紹介します。さて、皆さんは何冊ご存じでしょうか。

小松達也(TK)編 

まずはサイマル創業メンバーのおひとりであり、同時通訳者の草分け的存在であるTKこと小松達也さんの著書を数冊ご紹介します。興味深い内容とわかりやすくリズムの良い文章で、一気に読んでしまうこと請け合いです。

1.『通訳の英語 日本語』

古くは遣隋使・遣唐使から、鎖国時代の通詞、戦後の東京裁判、現代にいたるまで、日本における通訳の歴史をわかりやすく紹介しています。とくに、小松さんが東京裁判で法廷通訳を務めた通訳者に聞いた話は、当時の通訳の大変さや緊張感が伝わってくるよう。通訳者の存在や役割の大きさをあらためて感じさせてくれます。


2.『訳せそうで訳せない日本語 きちんと伝わる英語表現』

あいまいな日本語を適切な英語に訳すコツが満載。「風通しの良い」「善処する」「筋を通す」「一喜一憂する」など、よく使われるけれど訳しにくい75の日本語を英訳し、約400の用例とあわせて解説しています。長年の同時通訳の経験をされてきた小松さんならではのセンスが光る名著です。


3.『通訳の技術』

通訳者としてはもちろん、通訳者養成に携わってきた長年の経験をもとに、通訳者の訓練法や通訳者になるための勉強法を具体的かつ詳細に提示しています。実際の国際会議やセミナー、講演会、対談などの音声素材に加え、小松さん自身のモデル通訳も収録されたCD付きの1冊です。


 

長井鞠子編 

サイマルの顔ともいえるトップ通訳者であり、顧問でもある長井鞠子さんも、たくさんの著書をお持ちです。どの書籍からも、「伝えたい」という思い、人への深い愛情や興味、様々な事物への飽くなき好奇心などがあふれ出てくるようです。

1.『伝える極意』

数々のスピーチや国際会議の通訳をした経験から「伝える極意」とは何かを、トップ通訳者ならではの興味深いエピソードをまじえながら紹介しています。(エピソードにはゴルバチョフ・ロシア元大統領やミッテラン・フランス元大統領、石原慎太郎氏など国内外の著名人が多数登場!)ちなみに、高等学校の国語科教材「新編現代文B」(数研出版)ではこの著書が取り上げられています。


2.『情熱とノイズが人を動かす』

プレゼンテーションやディベートが苦手な日本人が、世界で通用するために磨くべきコミュニケーションスキルとは何か? 40年以上にわたり世界の最前線の交渉現場で活躍し、国内外の要人に厚い信頼を寄せられる長井さんならではの一冊です。


◆「偉大な通訳者を知ろう」編 

最後に、この『通訳・翻訳ブック』記事内で何度も紹介されている通訳者に関する書籍をご紹介します。

1.『通訳者と戦後日米外交』

NHKなど数々のテレビ番組などでもおなじみ、鳥飼久美子さんの著書です。

同時通訳のパイオニア5人の仕事と生涯を伝えるロング・インタビューによる、通訳学の本格研究書で読み応えのある一冊です。小松達也さん、村松増美さん、國広正雄さんと、本書に登場する5人のうち3人はサイマル・インターナショナルの創立メンバー。また、西山千さんもアポロ月陸着面の同時通訳に関する小松達也さんのエッセイでそのエピソードが紹介されています。


2.『ガセネッタ&シモネッタ』

ロシア語同時通訳の第一人者だった米原万里さんの一冊です。米原さんに関しては長井鞠子さん池内尚郎さん佐藤志緒さんの記事などでそのお名前や著書『不実な美女か、貞淑な醜女か』が紹介されています。鋭くもユーモアあふれる文章は、エッセイスト、ノンフィクション作家、小説家としても活躍した米原さんならでは。同時通訳や国際舞台の裏話などは共感しながら楽しまれる方も多いのではないでしょうか。




いかがでしたか。ご紹介した中には紙だけではなく電子化されている書籍もありますので、ぜひお好きなスタイルでお楽しみください。

『通訳・翻訳ブック』編集部

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