2025年4月に開幕した大阪・関西万博。開幕イベントにも参加したサイマル関西支社のスタッフが、パビリオンからAI通訳・翻訳まで、実際に見て感じた「万博レポート」をお届けします。
はじめに
こんにちは。関西支社のY.W.です。大阪・関西万博が開幕して約2ヵ月。皆さんはもう行かれましたか。今日は、個人で仕事でと複数回訪れた私の体験談を、少しご紹介したいと思います。
開幕イベントで実感した「共創」のテーマ
開幕1週間前。東京ドーム33個分の広さとは?
縁あって、開幕イベントの「1万人の第九 EXPO2025」に、合唱団のひとりとして参加することになりました。夢洲への初来場はイベント・リハーサルの4月6日。ワクワク半分、緊張半分で会場へ向かいました。
まず気になったのは「会場の広さ」です。ニュース番組で東京ドーム約33個分と言っていたので、実際にどのくらいか体感しようと、会場西端のモビリティエクスペリエンス(空飛ぶクルマの離着陸エリア)から東ゲートまで歩いてみることにしました。所要時間は、早足かつ混雑していない状態で約20分。移動だけでもちょっとした運動です。東ゲートに着いてからも、パビリオンによってはかなり時間がかかりました。パビリオンを予約している場合は、時間に余裕をもって移動すると良いかもしれません。
4月4日からすでにテストランが始まっていたのですが、すでに開業中のものもあれば未完成のものもあったりと、パビリオンの状況は様々。いくつかパビリオンを覗いてみましたが、どこも「サステナブルな取り組み」について力を入れているようです。それぞれ展示方法に創意工夫がされていて、館内を歩くだけでも十分楽しめました。
開幕初日。寒さと熱気と大混雑と
4月13日はあいにくの雨天。風も強く、肌寒さを通り越して、時折震えるほどの寒さに。それでもイベントで第九を歌っている瞬間だけは、奇跡的に雨が上がり、日も差していました。指揮を執るのは、万博アンバサダーで総監督の佐渡裕さんです。佐渡さんの指揮のもと、1万人の声がひとつになって響いていく様に、万博のテーマの「共創」を実感しました。真新しい広大な会場で歌えたこと、自分が万博にプレイヤーのひとりとして参加できたことは、本当に忘れがたい経験です。
■開幕イベント「1万人の第九 EXPO2025」本番の様子(MBS YouTubeチャンネルより)
イベント後は、当日予約でいくつかのパビリオンを訪問してみました。中でもタイパビリオンは、スパイスの匂いからも東南アジアのパビリオンらしさを感じられる展示が大変印象深かったです。視覚や聴覚、嗅覚(フードコーナーでは味覚も)からの刺激や、自分で歩いて回ることで、全身で万博を楽しむことができました。大阪にいながら、世界各国の文化や空気を感じられるのはとても貴重な体験で、これが万博の醍醐味のひとつかなと感じました。
また、話題の大屋根リングも歩いてみました。雨天でもしっかりと全体が見渡せて抜群の眺望だったので、天候にかかわらずに楽しめるおすすめスポットかと思います。ほかにも今、SNSで話題の通称「こみゃく」(本名は「ID」。ミャクミャクのパーツのようなイラスト)が会場中に点在しているので、探してみるのも面白いですよ。開幕初日ということもあって、夢洲駅、会場内、各パビリオン、グッズショップとどこも大混雑の大行列で、何をするにもかなり時間がかかりました(体感は夏休みのユニバーサル・スタジオ・ジャパン以上です……)。それでも見どころは多く、行く価値は非常に高いと思います。
「語学のサイマル」社員が見た万博
通訳音声はスマホひとつで手軽&便利に
5月中旬、今度はサイマル社員として、某通訳案件で来訪しました。
関係者パスを首から下げ、一般入場時と同様、手荷物チェック、金属探知機を通り抜け入場。自販機で通訳者用のドリンクを購入するにも、キャッシュレスオンリーなので要注意です。
参加者が同時通訳を聞く方法は様々にありますが、この日はスマートフォンで配信コンテンツが聞けるサービスを利用しました。QRコードを読み取って専用ページへアクセスすれば、通訳音声が聞ける仕組みになっています。参加者の中には普段通訳を聞く機会のない方も多いようでしたが、スマートフォンひとつで通訳音声が聞けるため、手軽さや便利さを感じている様子でした。通訳自体も少し身近に感じていただける機会になったのではと思います。
会場内でのAI通訳・翻訳体験
今回の万博では「デジタル万博」というプロジェクトも話題になっています。AIを活用した情報案内や、多言語の自動翻訳システムなどにより、世界中からの来訪者が言葉の壁を越えて交流できる環境が整えられているそうです。ここでは、実際に見聞きしたアプリやサービスをいくつかご紹介します。
テキストアナウンス
会場内に流れるアナウンスをスマートフォンに設定された言語に翻訳し、テキストで確認することができるサービスです。使い方も簡単で、会場内のQRコードを読み込むだけです。アプリのダウンロードが不要なのも、手軽に使えてポイントが高いです。
EXPO翻訳
こちらは要インストールの無料アプリです。30言語対応とシンプルな操作が使いやすい印象を受けました。どのパビリオンでも日本語ができるスタッフが多いため、必須になる場面はあまりないように感じました。ですが、交流のきっかけに、このアプリで海外パビリオンのスタッフに話しかけてみる、というのもいいかもしれません。
クロスリンガル音声合成技術
NTTパビリオン前で画期的な6か国語の音声案内を発見しました。車いすバドミントン選手の肉声データをもとに合成された音声なのだそうです。本人の声質がそのまま再現されているそうなので、もし自分の声で試せたら、6か国語を話せるようになった気分になれるかもしれませんね。
最後に
いかがでしたか。今回の大阪・関西万博では、世界各国はもちろん、少し先の未来まで体験できるような面白い展示やサービスがたくさんありました。海外からの来場者も多く、とても国際的な雰囲気が味わえるので、会場にいるだけでも楽しめるかと思います。機会があれば、ぜひ大阪・関西万博に行かれてみてはいかがでしょうか。
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