健康と若々しさは「骨」から【すぐに役立つ健康講座】

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皆さんは自分の体を支えている骨について、どれくらい関心を持っていますか。今回は、骨粗鬆症の予防・治療に詳しいとも内科クリニックの院長の加藤朋子先生に、意外と知らない骨の重要性について教えていただきます。

骨は健康の「柱」

骨は無機質で硬い殻のようなイメージですが、実は「骨細胞」という細胞などでできています。体を支え、内臓を守るだけでなく、血液を作ったり、体の細胞に必要なカルシウムを貯蔵するなど大切な役割を持っています。

骨の強度は、骨を構成するカルシウムなどがどれくらい詰まっているかという「骨密度」で判断しますが、この骨密度が減ると様々な弊害が生じます。

まず外見的な面では、背骨の形が変形して猫背になることがあります。頭蓋骨も、あごや頰骨、眼窩などが萎縮することで、目元が落ち込んで見えたり、しわが目立ったりと、年齢に関わらず老けた印象を強めてしまいます。逆に歳を取っても若々しい人というのは、背筋がしゃんと伸びていて、顔にハリがありますよね。

また、骨粗鬆症が進んで骨細胞から分泌される物質が減ると、糖尿病や貧血、動脈硬化や認知症にもなりやすくなるという研究データがあります。

骨は体全体に大きな影響を及ぼす、まさに「健康の柱」と言えます。ですから、健康を維持するためには、筋肉だけでなく、骨も意識し、鍛えることが必要なのです。

骨粗鬆症の可能性は誰にでもある

先ほど触れた骨粗鬆症ですが、名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

骨粗鬆症の「鬆」の字は「す」とも読みます。芯に細かな穴が空くことを意味しますが、大根などの「すが入る」状態をイメージするとわかりやすいでしょう。骨も、その大根と同じようなスカスカ状態になり、もろく折れやすくなってしまうのです。

骨というのは日々生まれ変わっていて、2~5年で全て入れ替わります。破骨細胞によって古い骨が壊され、骨芽細胞が血液中のたんぱく質やカルシウムから新しい骨を作ります。これを「骨代謝」と言います。女性ホルモンのエストロゲンには、骨の形成を助け、骨の破壊を抑制する働きがあります。しかし、更年期になってエストロゲンの分泌量が減ると、骨代謝のバランスが崩れ、骨破壊のスピードが骨形成のスピードを上回り、骨量が減少してしまいます。閉経後の女性に骨粗鬆症が多いのはそのためです。

しかし、骨粗鬆症の原因は加齢や更年期だけではありません。糖尿病や甲状腺疾患などの代謝異常のほか、無理なダイエットや運動不足、喫煙などさまざまです。そのため、老若男女問わず、注意が必要です。

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すぐに始めよう! 2つの骨力アップ術

では、どうすれば骨を鍛えることができるのでしょうか。
骨を建物に例えて考えてみましょう。良い建物を作るには「良い材料」と「良い大工」が必要ですね。 

 ◆栄養編

ここで言う「良い材料」は、ずばり「栄養」。中でも、カルシウムをしっかり取ることが大切です。骨はカルシウムによって作られるとともに、カルシウムの貯蔵庫でもあります。不足すると、血液中のカルシウム濃度を維持しようと骨中のカルシウムが使われてしまうため、骨密度が減少してしまうので要注意です。

骨密度を増やし、保つためには、1日あたり800mg程度のカルシウムが必要です。あわせて、骨にカルシウムを定着させるビタミンDや、骨の形成を助けるビタミンKもしっかり取るようにしましょう。
前回の免疫力の回でもお話ししましたが、日本人は特にビタミンDが不足しがちです。日光浴をしたり(1日10分程度、手のひらをしっかり日光に当てるだけでも効果があります)、サプリメントを利用するなどして上手に取り入れていきましょう。

ちなみに私は、毎朝「美骨スムージー」を飲んでいます。カルシウムたっぷりのヨーグルト、小松菜、わかめ、ビタミンKの宝庫である納豆、そして栄養豊富なごまとバナナの入ったスペシャルドリンクは、1日のスタートにもぴったりですよ。

◆ながら運動編

次に「良い大工」ですが、これは「運動」です。
骨は、重力に逆らう縦方向の刺激や負荷を与えることで成長します。宇宙飛行士の骨密度が低くなりがちというのは有名な話ですが、それはこうした負荷が大きく関係していると言われています。

ベストなのは、縄跳びなどのジャンプを伴う運動ですが、ケガの危険や膝の痛みなどが心配な場合には、つま先立ちからストンとかかとを床に落とす「かかと落とし」がおすすめです。1日50回をめどに行いましょう。これなら、運動が苦手な人や時間がない人でも、歯磨きをしながら、信号や電車を待ちながらなど「ながら運動」として手軽に続けられるはずです。

骨は何歳になっても鍛えることができます。いつまでも健康で若々しく過ごすために、今日から骨力アップをめざしましょう!



加藤先生
加藤朋子(かとうともこ)

とも内科クリニック院長。山梨医科大学医学部卒業、名古屋大学大学院 医学博士、順天堂大学非常勤講師。「人生100年時代」の健康を支えるための治療や予防に力を注いでいる。総合内科専門医/糖尿病学会専門医/甲状腺学会専門医/骨粗鬆症学会認定医/抗加齢学会専門医/認定産業医/労働衛生コンサルタント

 

 

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