免疫力アップでウイルス撃退!【すぐに役立つ健康講座】

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日々多忙で、心身ともにハードな業務をこなす通訳者翻訳者にとって、健康管理は大事な仕事のひとつです。今回は新型コロナウイルスや風邪予防などのカギとなる「免疫」について、とも内科クリニック院長の加藤朋子先生に伺いました。手洗いやうがい、マスク着用などの対策はもちろん、自分自身の免疫力も高めて、ウイルスに負けない健康な体をめざしましょう。

そもそも免疫とはなにか?

免疫とは、細菌やウイルスといった外敵が体に侵入したときに戦って体を守る防御システムのことで、下記の2種類があります。

  1. 自然免疫:生まれつき備わっていて、外敵の種類にかかわらず直ちに反応するもの
  2. 獲得免疫:「一度かかったはしかには二度かからない」というように、実際に感染することで抗体を作るもの。それを人工的に作るためのものがワクチンです。

私たちは普段、ウイルスや細菌などの病原体から免疫に守られています。しかし、さまざまな要因によって免疫の仕組みが正しく働かなくなる、つまり免疫力が低下すると、普段は軽症で済んでいたものが重症化したり、感染症などにかかってしまったりします。そのため、免疫や免疫力というのは、健康な毎日を送るために大変重要なものなのです。新型コロナウイルスなどに罹っても軽症ですむためには、自然免疫を高める工夫なども有用となります。

では、免疫力を高めるためには、一体どうしたらよいのでしょうか。

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睡眠、食事……免疫力をアップする5つの習慣

1.体を温める

冷え切っているより、体温を上げた方が免疫系の活動がより活発になります。クリニックで、お子さんが風邪をひきやすくて困ると言うお母さんには「保温をしっかりしてください」とアドバイスすると、風邪をひきにくくなったと喜ばれます。朝方は特に冷えやすいので、一枚多めに毛布を掛けるなどの冷え対策をすると良いでしょう。

2.ストレスや過度な肉体疲労をためず、睡眠を十分にとる

ストレスが溜まると、ドキドキしたりイライラしたりしますよね? これは、体が副腎皮質ホルモンや アドレナリンを出して、血圧や血糖を上げて自分自身を守るために戦おうとするからです。そういったホルモンは免疫にマイナスに働きます。例えば、重要なお仕事の間は無理をして疲れていてもなんとか乗り切れたのに、終了してほっとした途端、体調を崩したという経験を持つ方も多いのではないでしょうか。

また、睡眠不足も免疫力を低下させる要因の一つです。自律神経のバランスを崩し、免疫機能を持つ白血球の働きを低下させる要因となります。体を動かしたり、好きなことに没頭するなど心身ともにリラックスしたり、しっかり睡眠をとるように心がけましょう。また、鎮静作用のあるホルモン分泌が促されるので、笑うこともおすすめですよ。

 

3. 食事に気を付ける

例えば、新型コロナ対策として、FAO(国際連合食糧農業機関)は特別な食品や栄養補助食品はないが、健康的な食事を維持することが重要だと述べています。

特に重要なポイントは以下の通りです。

  • タンパク質、ミネラル、ビタミンをバランスよく取る
  • 健康的な油(オリーブ、ごま、ピーナッツなど不飽和脂肪酸が多い油)を取る
  • 水分を定期的に取る
  • アルコールを飲みすぎないようにする

4. 腸内環境を整える

最近、ヒトの腸管内に定着している細菌の悪化が、さまざまな病気の原因となっていることがわかってきています。体内の免疫細胞の60%以上が腸に存在しているので、免疫にとっても腸内環境は大切です。皆さんも「善玉菌」「悪玉菌」という名前を聞いたことがあるかと思います。

例えば食事で果物や海藻類、大麦などの食物繊維を摂ると、酪酸が作られやすいことがわかっています。酪酸には制御性T細胞という炎症やアレルギーなどを抑える免疫細胞を増やす働きがあり、また腸管内を弱酸性に保つことで腸管免疫の維持に役立っています。

また、腸の働きをコントロールしているのは自律神経です。自律神経の働きを整えるためには、上記2で述べた「ストレスを減らす・十分な睡眠・適度な運動」などが効果的です。

5. ビタミンDを摂取する

私は骨粗しょう症の治療もしているので、皆さんのビタミンDを測ることが多いのですが、日本人はビタミンDが欠乏したり不足している人が8割以上に上ります

昔、結核という病気の治療には、日光浴が推奨されました。結核菌を紫外線で殺菌することもあるかもしれませんが、皮膚でビタミンDを作ることで、免疫を活性化させていたとも言われています。新型コロナウイルスで重症化しやすい人には血中のビタミンDが低かったとのデータも世界各国から出ています(関係ないという否定的なデータもあるため、まだまだ研究途中ではありますが)。しかし、ビタミンDと免疫との間には密接な関係があることは、基礎的または臨床的データを見れば明らかです。家にこもりがちな昨今ですが、空いている時間に積極的に外で日光を浴びるようにしましょう。あるいはサプリメントなどの活用もおすすめです。

今回ご紹介した生活・食習慣などは一般的で身近なものなので、多くの方が実践できるものではないかと思います。ぜひ、ご自身の健康のためにも、日ごろから意識し、継続して実践することを心がけてみてください。



加藤先生
加藤朋子(かとうともこ)

とも内科クリニック院長。山梨医科大学医学部卒業、名古屋大学大学院 医学博士、順天堂大学非常勤講師。「人生100年時代」の健康を支えるための治療や予防に力を注いでいる。総合内科専門医/糖尿病学会専門医/甲状腺学会専門医/骨粗鬆症学会認定医/抗加齢学会専門医/認定産業医/労働衛生コンサルタント

 

 

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