通訳形式ごとに必要なものが違う
ひと口に通訳と言っても様々な通訳形式があり、形式によって必要な通訳者数、機材が必要かどうかなど違いがあります。そのため通訳会社では、ご依頼を受けた段階で通訳形式もお客様に確認をしています。
しかしご依頼の際、通訳会社から「ご希望の通訳形式は?」と聞かれても、「どんな違いがあるのかわからない」「自分の依頼内容に合った通訳形式がわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、通訳形式の特徴やご利用シーンごとの活用法についてご紹介します。
通訳形式 3タイプの特徴と活用シーン
通訳形式は、大きく分けると「同時通訳」「逐次(ちくじ)通訳」「ウィスパリング通訳」の3タイプがあります。それぞれの特徴や実際の活用シーンは下記のとおりです。
同時通訳
その名のとおり、話し手の発言を聞くのと同時に訳していく通訳のことをいいます。
通訳者は通訳ブースに入ってヘッドフォンから話し手の発言を聞き、ほぼ同時にマイクを通して通訳音声を送ります。相手が話している外国語を「聞き取る」「正しく理解する」「受け取る側にわかりやすい言葉で伝える」作業を瞬時に行う必要があるため、通訳の中でも特に高いレベルのスキルが必要です。
【特徴】
・通訳ブース、音響機材、マイク、レシーバーなどの同時通訳機材や遠隔同時通訳システムが必要
・通訳者は2名体制から
常に高い集中力が求められるため、1人で長時間行うのは難しい
通常は2~4名体制程度でチームを作り、15分ごとに交代しながら行う
【活用シーン】
・サミット、シンポジウム、大規模な国際会議、テレビ放送局での海外ニュースなど
コロナ禍以降、オンライン形式での運用も増加
発言とほぼ同時に通訳するので、テンポよく進行したい場合や時間を短縮したい場合におすすめ
逐次通訳
話し手の話をある程度キリのいいところで区切り、通訳者がその内容を整理し、つど訳すことを繰り返す形式のことを逐次通訳といいます。話し手が話す内容をメモに取りながら通訳するため、より正確に内容を伝えることができますが、ほぼタイムラグのない同時通訳に比べ、およそ2倍の時間がかかります。
【特徴】
・同時通訳機材の手配は不要
・通訳者は1名体制から
一般的には3時間までは1名体制、3時間を超える場合は2名体制
【活用シーン】
・講演会、セミナー、表敬訪問、インタビュー、スピーチ、記者会見、プレス向け発表会、企業面談など
正確性が高い通訳のため、企業間交渉など、内容を詳細まで正確に訳す必要がある時におすすめ
ウィスパリング通訳
政府間の表敬訪問や海外の著名人インタビューなどで、話し手のすぐ後ろに控えて通訳している映像を見たことがあるかと思います。通訳を必要とする方(1、2名)の近くで、通訳者がささやく程度の小声でほぼ同時に通訳を行うこの形式をウィスパリング通訳といいます。
話し手の発言を聞きながら同時に訳し伝えるという点では同時通訳と同じ手法ですが、通訳ブースやマイク、ヘッドホンなどの準備をする手間がかかりません。高いスキルが必要なのはもちろん、専用の通訳ブースや機材を使用する同時通訳とは異なり、周りの雑音や通訳する自分の声などによって話が聞き取りにくいこともあるため、より高い集中力が必要です。
【特徴】
・同時通訳機材の手配は不要。簡易通訳機材を手配すると複数名に対しての通訳も可能
・通訳者は1名体制から
※一般的には1時間までは1名体制、1時間を超える場合は2名体制
【活用シーン】
・少人数の社内会議や商談、表敬訪問
会議参加者のうち通訳を必要としている方が少人数の場合におすすめ
それぞれのケースに最適な通訳形式がある
いかがでしたか。ほかにも同時通訳には、サミット(主要国首脳会議)など多言語会議で用いられる「リレー式同時通訳(リレー通訳)」もあります。
【リレー通訳はどんな通訳? 一般的な同時通訳と何が違う?】
なお、ここでご紹介したのは一般的な例です。
開催の目的、通訳を必要としているのがどういった立場の方なのか、全体の参加者と通訳が必要な方の割合など、それぞれのケースで最適な通訳形式は変わってきます。
サイマルでは、ウィスパリングと逐次、逐次と同時を組み合わせるケース、オンライン同時通訳システムを用いるケースなど、お客様の1つ1つのご依頼に対して最適なご提案をしています。
通訳サービスに関するお問い合わせやご依頼は、ぜひサイマルまで。
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