マスクドライアイを防ぐために
日本眼科記者懇談会(主催:公益財団法人日本眼科学会、公益社団法人日本眼科医会、日本眼科広報委員会)では目に関する様々な知識や情報を講演しています。今回は「働き世代の皆さん、在宅ワークで目が疲れていませんか?」をテーマに実施されました。その中から、東邦大学医療センター大森病院 眼科の堀 裕一教授の「ドライアイによる眼精疲労」から、一部をご紹介します。
ドライアイとは? どんな人がなりやすい?
涙液層を安定させるためには豊富な水分、油、ムチンと十分なまばたきが必要です。このバランスが崩れるとドライアイになります。目が乾く、ゴロゴロするといった目の不快感や、目がかすむ、疲れる、見えづらいといった視機能の異常をきたします。進行すると眼表面の障害を伴うこともあるため、放置せず治療することが重要です。
日本のドライアイ患者は、1,200万人以上ですが、特にVDT(Visual Display Terminals:パソコンやスマホなどのディスプレイ)で作業する人の約66%にドライアイ症状があり、30歳以上、8時間以上のVDT作業、女性に特にリスクが高いと報告されているそうです。
【VDTと目への影響についてはこちらの記事でチェック!】
マスク着用でドライアイが増加するワケ
コロナ禍では、パソコンやスマホ、テレビ、ゲームなどで画面を見る時間とともに、リモートワークの機会が増えたことで、ドライアイの症状を訴える人が増加しました。また、これまでドライアイの治療をしていた人も、コロナ禍で眼科での通院治療を中断したり、市販薬を代用するなどで、症状が悪化するケースも増えているそうです。
加えて、長時間のマスク着用もドライアイの増加に拍車をかけています。
マスクをしているとメガネのレンズが白く曇ることがあります。息がかかると湿気で目が潤うように感じますが、実際は、全くその逆。マスクの上から息が漏れると、呼吸をするたびに目にあたり、涙が蒸発します。水分が奪われることで目の表面が乾いてしまいます。
マスク着用とVDT作業の増加で、私たちの目はこれまで以上にドライアイの危機にさらされているのです。
目の健康を保つために
では、ドライアイを防ぐにはどうすればよいのでしょうか。対策としては下記のようなものがあります。
- 意識してまばたきを行う
- 人工涙液やドライアイ治療などの点眼薬をうまく使う
- コンタクトレンズは正しく使う(装用方法、装用時間、レンズケアなど)
- ディスプレイは目線を下に(見上げる姿勢はNG)
- 空調の吹き出し口でのパソコン作業は避ける
- 作業の合間に休憩を取り、目を休める
くわえて、マスクドライアイ対策として「隙間を作らず、マスクを鼻にきちっとフィットさせる」こともおすすめです。
いずれも簡単ですぐにできる対策ばかりです。今日からぜひ、お試しください。
快適な日々を過ごすためにも、目の健康を保つよう心がけていきましょう。
協力:公益社団法人日本眼科医会
都道府県眼科医会との連携のもと、正しい眼科医療の啓発や教育活動を行うとともに、眼科学や眼科医療に関する調査研究、公衆衛生活動などを通し、国民の保健・福祉の向上に寄与している。
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