サイマルでは、年に数回、登録者向けの通訳・翻訳セミナーやワークショップを開催しています。これまで翻訳では、スタイルに関する知識強化のためのスタイルガイドセミナーや、CATツールの修得を目的としたMemsource(現Phrase TMS)※セミナーなどを開催してきました。今回は、レイアウトに関するセミナーについて、担当者がレポートします。
登録者限定「DTPレイアウトセミナーWord編 初級(1)」
3月下旬にオンデマンド配信した登録翻訳者限定セミナー「DTPレイアウトセミナーWord編 初級(1)」をご紹介します。
皆さんは、Word文書の翻訳やチェック作業などで
- レイアウトが崩れて直せない
- 原文と同じように番号を振りたいのにできない
- 行頭の文字の位置がそろわない
といったレイアウトの問題で苦労された経験はありませんか?
今回は、翻訳を伴うレイアウトのプロフェッショナルとしてご活躍の岡本正一さんを講師にお迎えし、Word文書を美しく整えるためのスタイル設定や、知っておくと役立つ機能について、実演とともにご紹介いただきました。
Wordの「スタイル機能」とは
Wordのスタイル機能とは、いろいろな書式の組み合わせに名前(スタイル名)をつけて登録すると、その後はスタイル名をワンクリックするだけで、指定の箇所にその設定を自動適用させられる機能のことです。
たとえば、
- はじめに
- スタイルの作成、編集
のような「見出し」に相当する箇所について、後から字体やフォントサイズ、配置といった書式を手動でそろえようとすると、見た目では気づきづらいレイアウトが不統一になりがちです。
一方「1.はじめに」と入力し、その部分を好みの書式にした上でスタイルとして登録しておけば、2.以降についてはワンクリックで同じ書式が自動適用されます。セミナーの冒頭では、このようなスタイル機能を使うメリットが紹介されました。岡本さんによると「作って終わり」の文書であればべた打ちするだけでも問題ないそうですが、翻訳したり校正したり改訂文書を扱ったり……と手を加えていく場合にはスタイル機能の効果が大きいため、活用を推奨するとのことでした。
また、ページ数が多くなればなるほどスタイル機能のメリットを感じやすいそうなので、ボリュームの多いWord文書を取り扱う方で、Wordのスタイル機能について詳しくない方にはうってつけのセミナーだったのではないでしょうか。
覚えるのはコマンド2つだけ
今回のセミナーでは、フィールドコードを使って目次を自動作成する方法の紹介もあり、視聴後のアンケートで「実践的で参考になった」との声が多く聞かれました。スタイル機能を使って文書を作成した上でフィールドコードにコマンドを入力すると、目次が自動的に作成される、というものです。
目次付きの文書で、翻訳によりページの繰りが変わると、当然ながら目次のページ番号も併せて変更する必要があります。目次の作成が手動の場合、訳文を推敲するたびにズレのリスクが生じますが、フィールドコードで自動作成する方法なら、Word自身が最適な表示に自動更新してくれるため、安心して翻訳・校正作業に集中できます。岡本さんが「覚えるのはコマンド2つだけ!」と強調されたとおり作業はシンプルで、簡単で役立つ、覚えて得する機能でした。
約90分のセミナーの最後にご紹介があったのが、ヘッダー、フッターの便利な使い方でした。この部分については視聴後アンケートにてご質問が多かったため、岡本さんのご協力を得て後日Q&Aとしてまとめたものを参加者にお渡ししました。
サイマルでは、今後も皆様の声をお聞きしながら、お役立ていただけるセミナー・ワークショップを開催していきます。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご登録、ご参加ください。お待ちしています。
※現在は「Phrase TMS」に名称変更(2023年3月追記)
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