サイマルで活躍中のプロが、通訳者・翻訳者人生にかかわる1冊を紹介する「通訳者・翻訳者の本棚から」。「大きな案件の前に気合を入れたいときに読む本」「落ち込んだ時に読みたくなる本」「いつも仕事で使っている本」「スキルアップや知識向上のために活用している本」など、さまざまなテーマの中から選ばれた今回の1冊は……?
私の1冊:『このあとどうしちゃおう』
一生懸命仕事に集中していると、気が付けばパソコンに向かってずっと無表情だった、なんて経験はありませんか。そんなときにこそ読んでほしい、大人も子供も楽しめるすてきな絵本をご紹介したいと思います。
それは、『このあとどうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ著/ブロンズ新社)です。
この絵本は、第9回MOE絵本屋さん大賞2016で第2位(ちなみに、この年の1位は同じヨシタケシンスケさんの『もうぬげない』(ブロンズ新社)です!)、第1回小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙で第7位、第2回小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙でも第15位に選ばれています。
かわいらしい絵とユーモア、発想力が魅力的な一冊
この物語はおじいちゃんが亡くなったところから始まります。おじいちゃんの部屋のそうじをしているとき、孫の「ぼく」は1冊のノートを見つけます。
ノートのタイトルは「このあとどうしちゃおう」。
中にはこんなことが書いてありました。
「このあとのよてい」
「こんなかみさまにいてほしい」
「てんごくってきっとこんなところ」
「みんなをみまもっていくほうほう」(本文より)
などなど。
おじいちゃんの書いたノートは、「ぼく」にとっても私にとっても読んでいてとても楽しいものでした。
でも、「ぼく」はふと考えます。おじいちゃんはどんな気持ちでこのノートを書いたんだろう? と。
この絵本は死がテーマなのですが、ヨシタケシンスケさんのやさしくかわいらしい絵、そしてユーモアと発想力によって、読むたびにくすっと笑わせてくれて、元気をくれる魅力的な1冊です。
ヨシタケシンスケさんの作品ではほかに『ぼくのニセモノをつくるには』(ブロンズ新社)、『りゆうがあります』(PHP研究所)などもおすすめです。
そのほかのお気に入り書籍
●『バムとケロのにちようび』
(島田ゆか著/文溪堂)
『バムとケロ』シリーズの第1作です。『バムとケロ』シリーズはかわいらしくカラフルな絵が特徴で、細かいところまで丁寧に描かれているので、それを見ているだけでも楽しめます。登場するキャラクターたちもみんな魅力的で、彼らの少しの動きも見逃すことができません。この絵本は背景も少しずつ変化しているところがあり、「まちがいさがし」的にも楽しめます。
「バムとケロ」シリーズは、何回読んでも新しい発見があるので、どの作品もおすすめです。
●『ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ』
(クリス・ウォーメル作・絵、吉上恭太訳/徳間書店)
明るい話だけではなく、心に響くような話、切ない話も読みたい、という方にはこちらがおすすめです。
絵本ながらも深いテーマが描かれていて、読み終わった後の感動は計り知れません。
●『ボールペンでかんたん!プチかわいいイラストが描ける本』
(カモ著/メイツ出版)
こちらは番外編で、絵本ではなく、イラストの本です。
NHKの「趣味どきっ!」などでイラストの講師を務めていたイラストレーターのカモさんの本です。気軽にかわいい絵を描いてみたい、かわいい絵が描けたらいいな、と思っている方に特におすすめです。
この本には、基本のシンプルな線でかわいく描ける例がたくさん紹介されています。
この本のイラストはどれもかわいいので、眺めているだけでも癒やされます。
これらの本が癒やしや息抜き、気分転換になると幸いです。
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