品質を支える翻訳チェッカーの仕事【そこが知りたい! 翻訳サービス】

翻訳チェッカーをご存知ですか。納品前、翻訳の最終工程として訳文をチェックする人で、翻訳者同様、重要な役割を果たしています。今回は、そんなチェッカーの仕事や役割について、サイマル採用・育成チームのスタッフがご紹介します。

翻訳チェッカーの役割

翻訳のチェックとは

翻訳チェックとは、一言でいうと「原文が正しく訳されているかの確認作業」です。原文と訳文を照らし合わせて、原文の情報が訳文に過不足なく反映されているかを確認します。お客様のご要望や翻訳会社によっても異なりますが、基本的には下記のような点をチェックしています。

  • 誤訳・訳抜け
  • 数字や固有名詞、誤字・スペルなど表記上のミス
  • 文法・語法など言語面のミス
  • 語句・用語の統一

その他にも、リサーチが適切に行われているかなどの裏取りや、フォントの統一などスタイルや体裁の確認、訳文の分かりやすさなど、チェックポイントは多岐にわたります。

翻訳者との違い・共通点

【違い】
何より大きな違いは、スタート地点が異なることです。翻訳者はふつう、原文を頼りに一から訳を作り出す必要があります。チェックでは、翻訳者の訳をできるかぎり生かすスタンスで作業します。例えば、仮に元の訳がチェッカー自身の好みに合わなくても、内容が正しく訳されている場合は、無理な変更や修正は行いません。翻訳者には表現の選択などにある程度の自由度がありますが、チェッカーは、自身で表現や訳出を考えるというよりは、あくまでも元の訳文に問題がある場合にのみ修正を行います。

【共通点】
原文の内容が正しく訳されているかを確認するため、翻訳者と同様に分野の知識が必要です。高度な専門知識を必要としない原文であればリサーチで補うことも可能ですが、特に医薬や法律といった専門性の高い分野では、その分野・文書にふさわしい表現や用語を使う必要がありますので、背景知識をお持ちの方や分野経験が豊富な方にお仕事をお願いすることがほとんどです。

企業の財務情報や事業成果を発信するディスクロージャー分野では、数字や固有名詞の正確さが生命線になりますので、必要に応じてポイントを変えて複数回、複数名で徹底してチェックします。また、過去の開示情報との統一性にも配慮が必要なのは、翻訳でもチェックでも変わりません。

 <参考>需要のディスクロージャー拡大するディスクロージャー翻訳とは?


ネイティブチェックとの違い

これもよくご質問を頂くポイントです。ネイティブチェックとは、訳文が正しい文法を用いて書かれているか、自然な言い回しになっているかを、訳文言語(日本語から英語への翻訳なら英語)を母国語とする人が確認し、問題があれば修正する作業のことです。翻訳チェックとは別の作業であり、サイマルでは一部のプロジェクトで行っています。

翻訳チェッカーに求められる素養

【求められる語学レベル】
訳文の正誤を判断するため、翻訳者と同等の高い語学力が求められます。

【経験】
サイマルでは「フリーランス翻訳・チェック経験1年以上」をチェッカー応募の要件として設けています。企業内での翻訳・チェックなど、同等のご経験も考慮しています。翻訳者としてご登録の方には、チェッカーを兼ねる方も多くいらっしゃいます。

 <参考>サイマル・インターナショナル 翻訳者・チェッカーの登録・募集要項


【向いているタイプ】
細かな作業が好きな方は向いているように思います。例えば

  • 有名な絵本『ウォーリーをさがせ!』『(『Where's Wally?』)』の主人公探しが得意
  • 1000ピースパズルが趣味
  • 決算資料の数字のチェックが苦にならない

といった方は、翻訳チェックにもやりがいを感じるのではないでしょうか。

 

最後に

チェック作業にどの程度時間がかかるかは、最初の翻訳の出来によって変わってきます。仕事の打診は翻訳作業が終わる前に行われることがほとんどです。あらかじめ納期が決まっている中、仕事を受けることは期限内に作業を終えると約束することでもありますので、不安を感じながらのスタートになるかもしれません。

また、どこまで修正を入れるかを見極めるには、語学力はもちろん、それに根差した翻訳スキルや判断力が求められるため、慣れるまでは特に難しく感じることもあるでしょう。

しかし、翻訳工程の最後を担う砦として、責任感とともに大きなやりがいを得られることも多く、他の翻訳者の訳文を見ることが勉強になるという声もよく聞きます。

サイマルでは、チェッカーの皆さんが安心して仕事に取り組めるよう、経験や実績に見合った仕事をご相談したり、チェックポイントをまとめたガイドラインをあらかじめご提供したりと、さまざまなサポート体制を取っています。

チェッカーとして翻訳に携わりたい方、今後のキャリアアップにつなげたいという方、サイマルで活躍しませんか。ご応募、お待ちしています。

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詳細は下記ページよりご確認ください。

 

 

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