サイマルでは、年に数回、登録者向け通訳・翻訳セミナー・ワークショップを開催しています。これまで翻訳では、スタイルに関する知識強化のためのスタイルガイドセミナーや、CATツールの修得を目的としたMemsource(現Phrase TMS)※セミナーなどを開催してきました。今回は、翻訳やチェックと切り離すことができないリサーチに関するセミナーについて、担当者がレポートします。
限定セミナー「翻訳・チェックのリサーチ」
効率的なリサーチをするヒント
時に翻訳以上に手間のかかるリサーチは、成果物の品質に大きく影響する重要な作業です。
【参考記事】効果的なリサーチとその方法
信頼のおけるリサーチに基づいた翻訳文は、お客様からの信頼や高評価につながります。その重要性は翻訳者の皆様であればよくご存知かと思いますが、一方で納期内に翻訳を仕上げなければならないという時間的制約が常にあります。情報があふれる現代において、固有名詞ひとつにしても逐一調べることは現実的ではありません。
そこで今回は、限られた時間内に少しでも効率的にリサーチするためのヒントになればと、「翻訳・チェックのリサーチ」セミナーを開催することにしました。
言語や内容の別なく必要となるリサーチですが、英語だけでなく多言語の翻訳者様にもご視聴いただき、皆様がいかにリサーチを重要と考えていらっしゃるかを実感しました。
リサーチは積み重ねられていくもの
セミナーでは、英語翻訳者・チェッカーとして長年ご活躍の杉山一樹さんが、実際のリサーチデモンストレーションを交え、リサーチソースの紹介や日頃から準備しておくことなどを、自身のご経験に基づいてお話しくださいました。
現在、リサーチの多くはインターネットを介して行われます。多くの情報を短時間で集めることができる反面、信頼性の低い情報も多く、採否の見極めが求められます。
信頼性の高い情報源とは何か、短い時間でそうした情報にたどり着くにはどのような準備が必要かというお話からは、日頃から杉山さんが環境を整え、準備を大切にされていることを実感いただけたかと思います。
また「自分で調べた情報は信頼性が高い」というお話にも、印象深かったというご感想を多数いただきました。
ある案件で調べた内容をストックしておくことで、同様のリサーチが必要になった際、いち早く余計な手間をかけることなくご自身の求める情報にたどり着くことができます。そして、分野をまたぐ共通の情報は意外に多く、リサーチとは各案件で完結しているように見えて積み重ねられていくものでもあることを、ご経験に裏打ちされたお話から感じていただけたからではないでしょうか。
加えて「リサーチ結果を申し送ることまでが重要である」こともご紹介いただきました。
次の作業者や納品先のクライアントを意識することで、申し送りの仕方や確認の姿勢も変わります。翻訳が翻訳者・チェッカー・コーディネーター・クライアントがチームになって行うものであることを、視聴されながら、多くの方があらためて感じられたのではと思います。
セミナー後のアンケートではリサーチデモンストレーションを有意義に感じてくださったとのお声も多く、皆様の関心の高さがうかがえるセミナーとなりました。
サイマルでは、ご登録翻訳者の皆様にお役立ていただけるセミナー・ワークショップを今後も開催していきます。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひご登録、ご参加ください。お待ちしています。
※現在は「Phrase TMS」に名称変更(2023年3月追記)
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