同時通訳に必要な機材の役割【そこが知りたい! 通訳サービス】

突然ですが、同時通訳を行うために必要なものをご存じですか? 開催形式や規模によっても異なりますが、基本的には3つ。通訳者、同時通訳音声を伝えるための機材、そして機材を運用するエンジニアです。今回は、その中から機材とエンジニアについて、サイマル機材事業部のスタッフがご紹介します。

通訳機材とエンジニアの役割

通訳音声をリアルタイムに聴ける仕組み

機材とエンジニア(サイマルではテクニカルコーディネーターと呼んでいます)についてご紹介する前に、まずは簡単に、同時通訳についてお話しします。

同時通訳とは、その名のとおり「発言を聞くのと同時に訳していく通訳」です。テンポよく進行したい場合や時間を短縮したい場合におすすめの形式です。詳しくは、下記の「通訳形式」に関する記事をご参照ください。

 

 

その同時通訳で、話し手の音声を通訳者に届けたり、通訳音声を聞き手がほぼリアルタイムに聴くために必要なのが、同時通訳専用の機材なのです。
では、機材の役割や聞き手が通訳音声を聴ける仕組みは、どのようになっているのでしょうか。

まずはじめに、仕組みを簡単にご説明します。下の図とあわせてご覧ください。

同時通訳運用イメージ図(赤外線システムの一例)


・話し手
がマイクに向かって発言する

 ↓

・通訳ブースの通訳者が、エンジニアによって音量や音質が調整された話し手の音声をヘッドフォンで聞き、ほぼ同時に通訳用のマイクに向かって通訳する

 ↓

・通訳音声はエンジニアによって音量や音質が調整され送信機へ(音声の伝達方法には赤外線システムやFMシステムなどがあります)

 ↓

・聞き手はレシーバー(受信機)のイヤホンから通訳音声を聞く


次に、話し手・通訳者・聞き手別に必要な機材をご紹介します。

 

  • 話し手
    マイク……マイクを使っていただかないと、通訳者に話し手の音声が届きません

  • 通訳者
    通訳操作機……話し手の音声を聞く為の機能と通訳言語の切替器がセットになった機材
    通訳者は、同時通訳を行う場合、話し手が話している言語と逆の言語を訳出しします。そのため、聴き手が必要な言語を届けるために、手元の切替器で言語を切り替えています。
    通訳ブース……通訳者が通訳をするための、防音・遮音性に優れた箱型の部屋

  • 聞き手
    レシーバー……受信機とも呼ばれる、通訳者の音声を聞くための小型機材。チャンネルを切り替えることで、聴きたい言語を選択できます。
    ※複数の話し手がディスカッションする、質疑応答があるなど、開催内容よって話し手も使用します。


ここにあげたのは一例です。オンライン、オンサイト、ハイブリッド(オンラインとオンサイトの組み合わせ)などの開催方法、会場や規模によって必要な機材は異なります


ここに注目!

通訳者の秘密基地のように見えるのか、通訳ブースには多くの方が興味津々のようです。今回は、現場でよく質問される何点かを、まとめてご紹介したいと思います。

●サイズ:
2m×2m程度。一般的な会議机を中に設置して使用するサイズです。

●収容人数:
最大3人入れます。通訳時間が終日の場合、通訳者は基本3人体制で通訳を行いますが、感染対策上、同時に入るのは2人までにおさえ、残りの1人は時間まで外で待機しています。

●ブースの中にあるもの:
机、椅子、通訳資料を見るための手元明かり、通訳操作機、換気用のファン、飛沫防止板など。ブース内の前壁はマグネットシートになっていて、アジェンダや用語リストなどの資料を貼り付けることができます。最近はコロナ対策として、通訳者間に飛沫防止板を設けるなど、通訳者に配慮した対策をしています。

●通訳中の様子:
同時通訳を行うには非常に集中力がいるので、通訳者は10~15分程度の交代制をとっています。本番前には専門用語の訳し方を確認したり、本番中にはメモを出し合ったりして通訳者同士で協力しています。
なお、エンジニアはブース近くに控えて通訳音声を随時モニタリングし、万が一のトラブルにも、迅速に対応できるようにしています。

●ブースの役割:
会場の音を遮断できるので、通訳者が集中しやすい環境になり、通訳パフォーマンスが向上します。また、通訳者の音声が直接会場に響いてしまうのを防ぐ役割もあります。

通訳ブース外観(右奥:窓付きの部屋) 
※ちなみに、左側の黒いパネルはレシーバーのチャンネル表示


通訳ブースの中の様子。話し手が見える位置にブースを設置しています。

快適な音声を届けるために

よく「同時通訳サービスを利用するのが初めてで、機材のこともよくわからないのですが……」というお声を聞きます。
サイマルでは、担当スタッフが、開催内容や会場環境などの必要な情報などをヒアリングを行い、「会議が機密性の高い内容の場合は、会場外への情報漏洩を防ぐ赤外線システムを」「大規模の開催の場合はFMシステムを」など、目的やご予算、お客様のご要望や重視されている点を考慮した上でご提案 させていただきますので、初めてのご利用でもご安心ください。

また、同時通訳の実施が初めての会場など、場合によっては事前に会場の下見を行い、エンジニアが直接、音響設備やスペースなどの通訳環境を確認しています。その他、機材に関する技術的・専門的なご質問などがある場合も、オンラインなどで直接お客様と打ち合わせを行うことで、お客様の疑問・不安・懸念点を解消するようにしています。

なお、会議やイベント当日は、お客様、通訳者に安心して本業に専念いただけるよう、機材のプロとして、様々な運用・サポートを行っています。

本番前には、機材の設置や音声・動作チェックを行い、最適な状態で会議・イベントが開催できるように準備していますが、事前テストで問題がなくても本番中は色々なことが起こる場合があります。
話し手も通訳者も、声の大きな人、小さな人など、様々です。また、会場環境の影響で、急に音声が乱れることなどもあります。エンジニアは、どんな場合でも、聞き手が聴きやすい状態の音声をお届けするため、常にモニタリングを行い、音量や音質を調整しています。また、レシーバーなどの機材の使い方が分からない方へのサポートなど、すべての方に快適な状態で、通訳音声を聴けるよう心がけています。

どんなに良い機材があっても、会議やイベントの状況に即した適切な運用ができないと、快適な通訳音声をお届けすることはできません。私たちエンジニアは、お客様はもちろん、通訳者にも音声や機材へのフィードバックをいただき、次の案件や機材の改良に反映するなど、サイマル・グループならではの通訳・機材両面からの最適な会議環境のご提供に尽力しています。

会場開催の案件も増え、お客様とも直接お会いできる機会も増えてきました。皆さまとも、お会いできる日がありますよう、楽しみに精進し続けていきます。

機材事業部

通訳機材のプロとして、お客様のご要望に合わせた最適な機材の提案を行っています。
お問い合わせから会議当日まで、入念な準備を行い、主催者、参加されたお客様、通訳者すべてにとって快適な運用となることを心がけています。

【あわせて読みたい】同時通訳機材の種類と特徴

 

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サイマルでは、年間4,000件超の運用実績と培ったノウハウで、お客様に最適な機材サポートをご提供しています。同時通訳やWeb会議、ハイブリッド開催イベントなどのサポートは、サイマルにご相談ください。