TOBIS(ビジネス通訳検定)の活用事例2選【企業・団体編】

「TOBIS(ビジネス通訳検定)」をご存じですか。NPO法人CAIS(通訳技能向上センター)が主催する通訳者のための資格試験で、サイマル・インターナショナルでは、CAIS設立時からTOBISの運営に協力しています。今回は、最近お問い合わせの増えている企業・団体での受験について、その活用事例をCAIS担当者がご紹介します。

はじめに

TOBISは、企業・団体で活躍する通訳者のスキルを判定する試験です。

 

【参考】TOBISはどんな試験?

 

ビジネス通訳のスキルを証明するため、通訳者個人での受験が大半ですが、最近、通訳者が勤務する企業や団体で、評価ツールや福利厚生として活用されるケースが増えてきています。ここでは、その代表的な2例をご紹介していきます。

A社の場合:通訳担当者のスキルチェックと評価基準に活用

まずご紹介するのは、TOBISを評価ツールにされているA社(物流関係)の例です。A社では「社内査定や人材配置の検討は適切な評価から」というお考えから、社員のTOBIS受験を実施しています。

社員の英語力を把握するために、英検やTOEICの結果を参考にしている企業・団体は多いと思います。では、社内通訳者の通訳スキルを測る場合はどうすれば良いでしょうか。「実際に通訳をしているところを見ればよい」と思われるかもしれませんが、社内会議はその規模や重要性、扱うトピックによって難易度が変わるため、技術力の評価は容易ではありません。A社でも、通訳スキルの評価に長く頭を悩まされていたそうです。

そのお悩みを解決すべく導入いただいたのがTOBISです。TOBISは、受験者がビジネス場面と同じトピックについて通訳した音声により、1級から4級(4級未満は不合格)を判定します。A社のご担当者様には「同じ素材、同じ条件で客観的な評価がされるため、公平かつ評価に使いやすい」と高評価をいただきました。加えて、オンラインテストである点も、事業所の場所を問わず手軽に使える、とご好評をいただいています。

B社の場合:福利厚生として活用

次にご紹介するのは、福利厚生としてTOBISの受験費用を補助しているB社(コンサルティング関係)の例です。
資格取得支援を福利厚生とする場合、合格した際のお祝い金支給や、合格後の資格手当支給が一般的ですが、社内通訳者の多いB社では、TOBISの受験を後押しすべく、受験料の一部を補助しています。

通訳者は、なかなか自分の通訳スキルを客観的に把握できる機会は少ないものです。TOBISでは、フィードバックシート(検定結果)で、通訳に必要な理解力、知識力などの評価とともに、補強ポイントを詳しくコメントしており、現状把握とスキルアップに役立てることができます。
B社からは「社内の通訳業務担当者が、自身の通訳スキルを知り、さらなるスキルアップをめざすことで、大きなモチベーションアップにつながっているし、企業としても優秀な通訳業務担当者の長期勤務や新たな人材確保に役立っている」という声をいただいています。
福利厚生の充実により人材確保を、という企業はますます増えていますので、B社のように通訳業務をされる社員が多い企業では、TOBIS導入は大きな魅力になるのではないでしょうか。

最後に

いかがでしたでしょうか。TOBISは毎年、12月と7月の年2回開催しています。評価ツールや福利厚生としてのTOBIS導入にご興味をお持ちの企業・団体のご担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひCAIS事務局までお問い合わせください。お待ちしております。

 

 

■試験日程などTOBISの最新情報や詳細はオフィシャルサイトでご確認を

 

 

CAIS(特定非営利活動法人 通訳技能向上センター)

CAISは、株式会社サイマル・インターナショナルの協力により設立されたNPO法人です。通訳業界に関わる全ての方々の満足度向上と業界全体の発展に貢献することを目的とし、TOBIS(ビジネス通訳検定)の運営を行っています。

・公式サイト:https://www.cais.or.jp/

・TOBIS公式サイト:https://www.cais.or.jp/tobis/