スタッフYの通訳案件 当日レポート【通訳のあんな現場・こんな案件】

お客様とサイマルとの最初の窓口になったり、通訳の現場に立ち会ったりと、様々な形でお客様や通訳者と接する営業部・通訳営業課。このシリーズでは、そんな通訳営業課のスタッフが、通訳現場でのあれこれや通訳サービス活用のヒントなどを不定期でお届けしていきます。今回のテーマは、知っているようで知らない「通訳当日、現場でスタッフが行っていること」です。

 

はじめに

こんにちは。通訳営業のE.Y.です。
私たちスタッフにとって、通訳の現場は緊張感の連続であるとともに、いつもメールや電話でお世話になっているお客様や通訳者の方々と直接お会いできる大変嬉しい機会です。お客様には安心して本来業務に専念いただけるよう、また、通訳者の方々にはベストコンディションで通訳業務に臨んでいただけるよう、私たちは裏方として、毎回さまざまなサポートに努めています。今回はそんな通訳現場での私たちスタッフがどのようなことをしているのか、案件当日の様子を少しご紹介したいと思います。

通訳当日におけるスタッフの役割

打ち合わせの進行 ~時に探偵・刑事になる~

私はメディカル関連の案件を担当することが多いのですが、通訳現場では、本番前のスピーカーと通訳者との打ち合わせが非常に重要事項となっています。内容の専門性が非常に高いため、資料だけでは把握しきれない点がないか、スピーカーの意図や真に伝えたいことなどをより正しく深く理解する ためには、スピーカーと直接話をすることが不可欠だからです。
そのため、案件当日は早めに会場で待ち合わせをするのですが、海外からのスピーカーは時間におおらかな方が多かったり、慣れない会場で迷われたる方がいたりで、打ち合わせにいらっしゃらないということもしばしば。
そこで、私たちの出番となります。パンフレットやWeb検索で見つけた顔写真を頼りに、他会場やロビーなどをくまなく探し回り、スピーカーを打ち合わせ場所にお連れするのです。終日にわたって複数のセッションがある場合は、ほぼスピーカー探しで一日が終わるなんていうことも。関係者の方に、日に何度も走り回っている姿を見られて「君はまた誰かを探しているのかい?」と笑われることもありますが、予定通りの事前打ち合わせ、ひいては通訳をスムーズに進行するためには欠かせない業務なのです。

本番に向けた資料・情報集め ~走る・投げ入れる~

打ち合わせが始まると、今度はスピーカーが用意した資料のチェックを行います。
ドクターの皆様は日々大変お忙しいので、資料作成は毎回本番ギリギリになりがちです。海外の方は日本へ渡航する飛行機の中で、時には到着した日の夜にホテルで作成されるといったこともあります。また、事前に資料をご用意いただいていても、直前に修正が入ることも多いため、必ず直前に最新資料をデータでいただき通訳者用に印刷します(今はiPadなどにメモを書き込まれる通訳者が増え、データ転送作業も多くなりました)。

ホテルなど会場のコピー機が使用中または故障したといった不測の事態に備え、事前に会場付近のコンビニを複数件探しておきます。そこで印刷し、通訳者へお渡しするのですが、時には膨大で腕がしびれるほどの量を汗だくで運び、本番直前や開始後に通訳ブースに投げ入れることもしばしばです。

また、あらかじめ資料が当日入手になる、大量印刷の必要があると分かっているような場合には、会場の控室にプリンターとPCを持っていき、その場で印刷をします。同僚のある案件では、あまりに印刷し過ぎて、プリンターから煙が出たこともあったとか……。

打ち合わせでは他にも、スピーカーに講演内容のブリーフィングを受け、質問などがあれば通訳者から確認をするようにします。通訳者は毎回、講演対象の疾患について調べたり、スピーカーの方の論文を読んだりと、発表資料の読み込みだけではないプラスアルファの事前準備を入念に行い、本番に臨むようにしています。そのためドクターの中には、通訳者の専門知識の豊富さに驚き「あなたも研究者なの?」と、医学会議さながらの議論を通訳者に持ちかける方もいらっしゃるほどです。そんな場面に出くわすたび、サイマル通訳者のレベルの高さと通訳への取り組み方を誇らしく感じるとともに、通訳者、ひいてはサイマルへの高い信頼に全力でお応えしたい ……と業務にますます力が入るのでした。

高い信頼、と言えば、こんなこともよくあります。スピーカーが講演の最後に「素晴らしい通訳をしてくれた通訳者の皆様に感謝します」とお話ししてくださり、それを通訳者が恥ずかしそうに通訳し、聴講者の方々が通訳ブースに向かって拍手をしてくださるのです。スピーカー、聴講者の方々にご満足いただけたと肌で感じられるのはもちろん、通訳者も一員となり会場全体でこの講演を作り上げたという充足感は、この仕事を続ける支えとなっています。

 

さいごに

コロナウイルスの感染も少しずつ落ち着き始め、一時はオンライン開催が多かった医学会議やシンポジウムも、会場開催がだいぶ増えてきています。どんな状況での開催であっても、通訳者の「お客様の伝えたい思い」を伝えたい方々に正しく伝えていく 、という使命と姿勢は変わりません。そして私たちスタッフは、そんな通訳サービスがお客様のコミュニケーションやビジネスの成功につながるよう、今後も裏方として、お客様と通訳者の橋渡しをしていきたいと思います。

 

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