通訳の「音」を届けるエンジニアたちが語る「interprefy(インタープリファイ)」

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サイマルでは、「interprefy(インタープリファイ)」という遠隔同時通訳プラットフォームを導入しています。今回はインタープリファイについてお届けする4回目。管理運営を担うサイマル・テクニカルコミュニケーションズ(以降テック)のマネージャー3名に話を聞きました。

伊藤拓郎 技術運用課 マネージャー

音響技術者として通訳機材を運用し、エンジニアたちを取りまとめている。サイマル「全社インタープリファイ販促プロジェクト」のプロジェクト責任者。

 

内田啓介 技術営業課 マネージャー

テックサービス全体の拡販担当責任者。利用提案やデモなどを担当。Interprefy社との交渉窓口。

 

友野常雄 インタープリファイ課 マネージャー

インタープリファイを使った通訳案件の運用を担う責任者。インタープリファイを利用した通訳シーンを取り仕切る。

インタープリファイ導入から9か月。どのように感じていますか?

友野:インタープリファイは、どこにいてもラップトップがあって通訳者がブラウザに入れば、同時通訳ができる仕組み。画期的だなと感じたけど、僕たちは、ITに強いわけでもなく最初は戸惑いも多かった。今は企業の遠隔会議にGateway方式(企業が使用しているオンライン会議とインタープリファイを繋ぐ方式。下図参照。)がマッチして急速に広まっているけど、最初は「Gateway」が理解できなくてね。

 

内田:お客様に理解いただくにはどうしたらよいか、色々と考えました。最近は「Gateway」という言葉を使わない説明資料を作って対応することに。

 

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Gatewayという言葉を使わずに説明する【Gateway方式】

 

伊藤:現場をやっている人間の視点からみると、エンジニアと通訳者は似ている。我々の目的はデバイスを使うことではなくて「同時通訳をお客様へ届けること」。既存の機材でもインタープリファイでも関係なく、「通訳を届ける」ことに対してデバイスが使いづらい部分があるなら、それを取り除くのは我々テックの仕事だと思っている。
一方、インタープリファイはInterprefy社が開発したクラウドシステム。従来機材だったら、手の届くところでコントロールが可能だったものが、どことでも繋がれる便利さと引き換えに、手が出せなくなったことにエンジニアとしてジレンマを感じている。一番わかりやすい例は「発言者の声が遠いです」と言われても、現場にいれば自ら手を下し解決できたことが、遠隔でいろんな拠点や自宅からだとコンタクトすることすらままならない……。そういう意味だと、コロナでオンライン会議に起こりがちなトラブルがお客様に浸透したよね。

 

内田:コロナ禍で社会全体が変わったのがすごく大きくて、時代にアジャストするのが大変というか、自分を変えるのも速度アップしないといけない 。コロナと共存する社会には、遠隔同時通訳(RSI)って見事に合致している。でもそれを利用したり、浸透させたりするのは人が介在する部分なので、うまく繋いでいく必要があると思っています。

 

伊藤:遠隔会議が世の中に浸透することで、「個人の端末にアプリをインストールしてもらうのは難しい」「ITスキルが不安な参加者が多くリモート会議は無理」といった、インタープリファイを使用する上でコロナ前にはなかなか超えられなかったハードルは越えられた。 ある意味、この状況は追い風になっているけど、これからもこのままでいくという保証はないと思っている。「今のままでいいのかな?」と。インタープリファイの役割の持たせ方とか既存の機材サービスとの融合や割合とか新しいことを考えていかないと。遠隔では全てを今まで通りにではなく、メリット・デメリットを理解したうえで、従来機材含め、最良の選択をしていきたい。


内田:緊急事態宣言が発令されていたときは、オンライン会議でも通訳ができるということで、ある程度「質」みたいなところが許容されていたところはあると思いますが、最近はやはりそこも求められる環境になっていますね。

印象に残っている案件はありますか。

内田:インタープリファイで、初めてのタウンホールミーティング(540人規模)を実施した案件ですかね。ワールドワイドなエンターテイメント企業の案件でしたが、打診があったのが本番の1週間前で時間がない。さらに、3言語でひとつは中国語、通訳者さんも中国のご自宅でやるのか現地法人のオフィスでやるのかわからない、中国語のマニュアルが何種類もあって簡体字じゃなくて繁体字だとか……。中国ではネットの利用環境が異なるため、いつものやり方でアプリは落とせない、通訳者さんにトレーニングしてみたらヘッドセットが基準を満たさず、買っていただかないといけない、本番の3日前に突然「前日のリハーサルをしたい」とのご要望があったり……。色々とありましたが、遂行できたのは大きな自信になりました。その後、継続して案件もいただけているのは有難いです。

 

友野:社内会議のリモートで数十人規模では実績を積み重ねていたけど、完全遠隔でたくさんの人が繋がるのは初めてだったからね。当日まで緊張したけど、自分たちができることは、案件を完璧に近づけるべく日々努力をすること。

 

伊藤:そう、デバイスをかませる以上、100%は保証できないけど、通訳音声をきちんと届けたい。

 

内田:現地にいる通訳者さんを繋ぐというのをやってみて、いろいろ可能性はあるなと思った。お客様が海外にいて、インタープリファイを使って日本にいる通訳のサービスを受けるとか。多言語で現地通訳っていう可能性が広がれば、特殊な言語でもできるかもしれない。

 

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写真左から:伊藤拓郎(技術運用課 マネージャー)、 内田啓介(技術営業課 マネージャー)

友野常雄(インタープリファイ課 マネージャー)

 通訳者の方々に伝えたいことはありますか。

伊藤:僕たちも機材を扱う立場から突然ウェブの世界に放り込まれて、手探りしているところです。妙に簡単になってしまったところ、当たり前だったことが妙に大変になってしまったところ、敷居が下がるのはいいところと悪いところがある。いろいろ戸惑いながら取り組んでいます。

内田:サイマルの登録者の方々向けにインタープリファイの使い方についてワークショップを検討していますので、このような機会を活用していただきたいです 。
 

友野:色々なRSIサービスとも比べてみていますが、インタープリファイは、同時通訳というところに特化したよく考えられたしくみだと思います。

 

伊藤:得意・不得意などもあるかもしれませんが、通訳者の皆さんには先入観を捨てて、ぜひ一度試してみていただきたいですね。 一回使ってみる価値はインタープリファイにはあると思います。

  

  

編集:「通訳・翻訳ブック」編集部

 

 

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