通訳・翻訳業界で働くサイマルのスタッフがお届けする「サイマル通信」。エージェントの視点で、業界にまつわる話題や、スタッフの仕事など、好奇心をくすぐる話題をあれこれご提供します。今回は、翻訳コーディネーターが翻訳会社とコーディネーターの仕事についてご紹介します。
翻訳コーディネーターの役割
こんにちは。翻訳コーディネーターのE.A.です。今回のテーマは、ずばり「翻訳会社と翻訳コーディネーター」です。なかなかイメージのつきにくいこの2つについて、さらには私たちの仕事について、少しだけご紹介します。
翻訳コーディネーターがコーディネートするもの
初対面の方に職業を伝えるとき「翻訳コーディネーター」といっても大抵は分かってもらえません。「何をコーディネートするの?」「翻訳するの?」といった反応が大半です。なるほど「翻訳者」は翻訳をする人のことだと分かりますが「翻訳コーディネーター」とは何なのか。そもそも翻訳会社とは何をしているところなのでしょうか。
私たち翻訳会社は、お客様から翻訳したい原稿をお預かりして翻訳をし、出来あがった訳文をお納めしています。とはいえ、右から左に文書を送って終わりというわけではありません。
翻訳における全行程を管理
まず、翻訳したい内容・言語・用途・納期など、お客様のご希望を確認します。内容によっては、訳文を印刷する紙の種類が白紙なのかレターヘッドつきのものなのか、普通紙なのか厚紙なのかなど「なぜそこまで?」と思われるようなことも詳細に伺います。それによって、訳調やフォーマット、訳出する情報が変わってくるからです。
それらを踏まえ、数多い契約翻訳者の中から人選をし、翻訳を依頼します。そして、チェック工程を経て、お客様に訳文をお届けします。かなり大まかにまとめてはいますが、これらの全工程を管理するのが私たちの基本的な業務です。
同じ案件は一つもない。日々勉強、日々工夫の仕事
翻訳コーディネーターをしていて日々思うことは、お客様からご依頼をいただいて初めて成り立つ仕事であり、できるだけ詳細にご希望やご依頼の背景を引き出すことが一番大切だということです。
世の中すべての商品やサービスにいえることですが、独りよがりの「良いもの」ではなく、お客様の求めるサービスをいかに提供できるか、そのために、翻訳者にとってできる限りの条件を整え、お客様しか知りえない情報をいかに共有するか、それが重要です。一つとして同じ案件はなく、日々勉強、日々工夫。振り返れば色々な案件がありますが、どれもこれもお客様と翻訳者の協力なしには成り立たない有難い仕事だなと思います。
ほんの一角ではありますが、翻訳会社がどのようなところかご想像いただけたでしょうか。皆さんのお仕事との共通点があるかも? ないかも?
翻訳コーディネーター E.A.
(注)この記事は2015年4月「サイマル翻訳ブログ」に掲載されたものです。
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