
通訳会社の新入社員が「同時通訳」の現場を初体験! 通訳者やスタッフのプロフェッショナリズムなど、同時通訳を初めて聞いて感じたこと、知ったこと、気づいたことをまとめてレポートします。
同時通訳の現場を初体験
サイマルに入社して1か月。同時通訳の現場を見学する機会を得ました。私はミドルオフィス部門に所属しているため、通訳の現場に立ち会うチャンスは貴重。初めて見学する「同時通訳」に、ワクワクとドキドキを抱えて会場へと向かいました。
今回見学させていただいたのは駐日大使による講演会。参加者は日本人と海外の方が半分ずつといったところでしょうか。講演、その後のトークセッションはいずれも英語で、主に日本語話者に向けた英日の同時通訳がオンサイト(対面)で行われました。
同時通訳とは? 仕組みや逐次通訳との違い
同時通訳とは名前の通り、話者とほぼ「同時」に通訳が行われる形式です。話者が話を切るごとに通訳を挟む「逐次通訳」に比べて会議時間を短縮できるため、大規模イベントや講演会などで多く取り入れられています。

▼あわせて読みたい:同時通訳と逐次通訳の違いは? おすすめの活用シーンは?
オンサイト(対面)で行われる同時通訳は、会場に設置された「通訳ブース」から通訳者が話者の様子を確認しながら通訳を行います。訳出された音声は「ラジエーター」と呼ばれる機材から赤外線を通じ、参加者ひとりひとりの「レシーバー」(受信機)に伝達される仕組み。そのため通訳者だけではなく、機材の手配も欠かせません。
電波ではなく赤外線を用いていると聞いて驚きましたが、赤外線では混信が起きないため、音声伝達には適しているのだとか。また電波のように壁を透過しないため、情報漏洩の観点でも適していることも学びました。
▼あわせて読みたい:同時通訳の機材はなぜ必要?
間近で感じた通訳者のプロフェッショナリズム
いよいよ講演会がスタート。まずは大使による約20分間のスピーチです。大使が話すのとほぼ同時に通訳者が訳出を始め、話し終わりもほぼ同時。とても同じ人間が行っているとは思えないその”神業”に衝撃を受け、感動さえ覚えました。カ、カッコいい……。
後から聞いた話ですが、スピーチ内容は事前に通訳者へ共有されていたようです。だからあれほど発声が早かったのか、と合点がいったと同時に、通訳者に渡す事前資料の重要性にも気づかされました。
▼あわせて読みたい:事前資料が通訳案件の成功を左右する!?
スピーチの後は、約40分間のトークセッション。大使と登壇者1名の会話を3名の通訳者が交代しながら訳出していました。これも私が通訳会社に入って初めて知ったことなのですが、同時通訳はその高度な技術ゆえに相当な集中力を要するため、一案件につき必ず複数名の通訳者で担当します。十数分ごとに交代しながら通訳を行うことで各人の集中力を保ち、パフォーマンスの質を担保できるのです。
また、通訳者が紡ぎ出す「自然な日本語」にも驚かされました。例えば同じ「Thank you」でも「ありがとうございます」のみならず、時には「御礼申し上げます」としたり、「とりわけ」「つまるところ」など日本語らしい表現が使われたりと、ただ英語を日本語に直訳しているわけではありません。さらに、一度訳出した後により分かりやすい表現で言い直している場面もあり、その余裕もプロならでは! AI通訳が登場している現代でも、取って代わることのできない「人手通訳」の良さはここにあるのだろうな、と実感しました。
通訳はチームワーク。裏で支えるスタッフたち
通訳者の技量に圧倒されたのと同時に感じたのは、通訳者を支える”裏方”の重要性です。当日は通訳者のほか、営業担当、機材担当が同席し、会議の2時間前から通訳ブースの設営・準備を開始。講演中は、機材担当が通訳者の声のボリューム調整を適宜行うなど、万全の体制で通訳の現場を支えていました。
もっとも、講演前から通訳のサポートは始まっています。通訳会社では、お客様からのご依頼を受けた後、通訳コーディネーターや営業担当が詳細なヒアリングを行い、そのうえでアサイン担当が条件に適する通訳者を割り当てます。できる限りの事前資料を集めるなど、通訳者のパフォーマンスを高めるためのサポートを行うのもコーディネーターの大事な役目。そうして通訳者は、相当な勉強・準備をしたうえで当日を迎えるのです。
表には見えないチームプレーと入念な準備が、当日のスムーズな通訳、講演の進行に繋がることを実感できたのも大きな気づきでした。
▼あわせて読みたい:通訳者とお客様をつなぐ通訳コーディネーターとは?
通訳会社の一員として
今回の現場見学を通して、サイマルのプロ通訳者による通訳のクオリティの高さ、そしてそれを支えるスタッフたちのチームワークについて知ることができました。通訳者のスキルや事前準備はもちろん、「通訳」を支えるスタッフたちの努力が、お客様の高い満足度を誇るサイマルの通訳サービスを生み出しているのだと感じました。
今後はそんなサイマルの一員である誇りを胸に、より多くの方にサイマルのサービスを知り、ご利用いただけるよう、日々の業務に邁進していきたいと思います。
通訳・翻訳をキーワードに、仕事に役立つ情報からウェルビーイングに関するトピックまで、幅広い記事をお届け中。
・Facebook:https://www.facebook.com/simul.thbook
サイマルへ
サイマルでは、経験豊富な2,000名以上の通訳者と専任コーディネーターが、年間10,000件超の多様なニーズにお応えしています。オンライン会議やハイブリッド開催イベントなど、通訳のことならサイマルにお任せください。
