【サイマルと私 #3】高品質の翻訳を追い求めて

サイマル・インターナショナル創業60周年企画】入社から20年超。翻訳業界の変遷を見つめてきた社員が、サイマル翻訳に対する思いや将来像など、サイマルの翻訳サービスについてお話しします。

翻訳がつないだ縁

――藤本さんとサイマルの最初の接点は何ですか。

藤本さん(以下、藤本):サイマル入社前は、ある翻訳会社で主にコーディネーションや翻訳・チェックなどさまざまな業務を経験しました。同社とサイマルほか1社の3社合同により日本企業向けの英文Webサイト構築プロジェクトが始まり、私もメンバーとして参加することになったんですが、定例ミーティングがサイマルで行われたことから、ほぼ毎週来社するなど接点が当初からありました。

――では、サイマルのことは入社前からよく知っていたんですか。

藤本:ええ。当時の会社の社長に「サイマルの翻訳は超一流だ」と聞かされていたほか、サイマルが官公庁や数多くの上場企業をクライアントに持っているのを知り、ほのかな憧れのような気持ちを抱いていました。その後、2002年に同社を離れることになり、お蔭あって社員としてサイマルに入社することになったんです。サイマルの一員として翻訳に携わってみたいという思いもありましたし、プロジェクトを通じて親しみも湧いていたので、その時は強いご縁のようなものを感じましたね。

翻訳事業一筋で歩んだ20年余

藤本さんのサイマル・ヒストリー

【入社~現在】

  1. 翻訳事業部 コーディネーター(のち、コーディネーターセクションマネージャー)
  2. 翻訳事業部 翻訳者管理セクションマネージャー
  3. HRD事業部(現・HR事業部) 既存翻訳者登録管理担当
  4. 翻訳事業部 品質管理担当

――コーディネーターとして入社されたそうですが、それまでの業務との違いで苦労されたことなどありますか。

藤本:そうですね。前職では自分で翻訳やチェックに対応することもあったので、サイマルでもつい翻訳者目線で細かくチェックしてしまい、納品までに時間をかけすぎてしまうことがありました。ですが経験を積んでいくうち、「お客様はこういう翻訳を望んでいるんだな」「この翻訳者にはこういう特性があるな」とノウハウが蓄積されていき、納品までの時間配分のコツも少しずつ掴めるようになっていきました。原稿を開いた瞬間に「この文書ならこの翻訳者」と頭で描けることもありました。コーディネーションの精度もスピードも上がってきて、もっと極めたいな、と思ったところで異動になったので、心残りも少しありましたね。

その後、同じ翻訳事業部内の翻訳者管理セクションで新規翻訳者のリクルーティングから登録面談、登録翻訳者の管理にあたり、次のHRD事業部では登録翻訳者の管理を引き続き担当しました。


――HRDというのは、どんな部門だったんですか。

藤本:HRDは現在のHR事業部の前身にあたり、通訳者翻訳者登録採用・育成や通訳者アサインメントを行っていました。それまでは翻訳者は翻訳部門が、通訳者は通訳部門が管理していたのですが、これら機能を集約し、通訳と翻訳の一気通貫でのリクルーティング活動などを通じ、通訳者翻訳者管理体制を強化しました。

品質管理はなぜ大切か

――品質管理についてはサイマルのウェブサイトにも掲載されていますが、具体的にはどんなことをしているのですか。

藤本:翻訳品質の向上と安定化に向けたさまざまな取り組みを行っています。
例えば、どの翻訳者が担当しても「サイマルの翻訳」として一定の品質基準をつねにクリアし、訳文のスタイルを均一化できるよう、サイマル独自のマニュアルやガイドラインに基づいた運用管理を行っています。あるプロジェクトで突出して優秀な翻訳者を起用してお客様に喜ばれたとしても、別のプロジェクトで訳文の品質に極端な差があったら、サービスとしては成立しませんよね。工業製品ではなく人なので「常に同じである」というのはとても難しいのですが、そのような意識を持つことはとても重要です。品質評価・検証とその後のフィードバックを自ら行うこともあります。説得力のある評価を行うにはプロ翻訳者と同等以上の翻訳スキルが求められるため、知見を深めるよう日々努めています。いっぽう、お客様にご満足いただけるサービスをつねに提供できるよう、翻訳者・チェッカー向けのスキルアップセミナーや情報発信などを通じて、サイマルクオリティの維持と向上を心がけています。

――品質管理はサービスの根幹にもかかわり、とても大切なものなんですね。ところで、翻訳者や翻訳事業部社員の皆さんにはどういう方が多いのでしょうか。

藤本:職人集団。翻訳者の皆さんはこの一言に尽きますね。すぐれた技量を持つ方々の仕事ぶりを見て勉強になることも多くあります。

翻訳事業部には、言葉に強いこだわりや興味を持っている人や、仕事柄原稿や画面を長時間見ていても苦にならないという人が集まっているような。最近は他部門から異動してきたメンバーも多いんです。「サイマルの翻訳」という固定概念にとらわれず、新しいアイデアやノウハウを積極的にもたらしてくれたことで、ツールの導入や新規事業の拡大が加速したのではと思っています。

 

藤本さんのデスク。デュアルモニターやシカゴマニュアルは業務の必須アイテム。

サイマルが“最後の砦”になれるように

――そうですか。では、個人的に「サイマルの翻訳サービス、翻訳事業部はここがすごい!」と感じるのはどんな点ですか。

藤本:政府機関が国際的に発信する文書など社会的意義の高い案件のご依頼を「サイマルで」とご指名でいただくことですね。入社したばかりの頃は「こんな超重要文書のご依頼をいただけるのか」と驚きましたし、今もとても誇りに感じています。また、「全文は依頼できないけれど、一番大切なこの部分だけは絶対サイマルにお願いしたい」と言ってくださるお客様もいらっしゃって、その信頼感が大変ありがたいのと同時に、身が引き締まる思いがします。お客様の期待や信頼にこたえ続け、「やはりサイマルに依頼してよかった」「これからもずっとサイマルにお願いしよう」と思っていただけるよう、つねに緊張感を持って取り組んでいきたいですね。

――では最後に、藤本さんが考えるサイマルの今後の翻訳サービスとは。

藤本:サイマルの翻訳サービスは、お客様の「通訳だけでなく、翻訳もあわせて頼みたい」という声により生まれました。そして、お客様のニーズと時代の変化に応じてつねに進化してきました。2024年にはAI翻訳プラットフォーム「SIMULwiz(サイマルウィズ)」の展開も始めましたし、今後も柔軟に、お客様に最適なサービスをご提供していく必要があります。

一方、サービスの形や手段がどんなに変わっても、最高品質を追求し続けるマインドはつねに変わらず持ち続けていきたいものです。ブランドは、最上位商品やコアサービスに確固とした価値があり続けてこそ、ボリューム層を狙ったサービス展開もできるし、支持されていくものだと思うんです。色々な翻訳会社がある中で、「サイマルでなければ」と思っていただけるものを絶対になくしてはならない。根底にあるのは、高品質を提供したいという強い思いだと考えています。歴代の先輩方から受け継いできた「サイマルの翻訳」をこの先につないでいきたい。そして、翻訳を必要とされる方にとって“最後の砦”と思っていただける存在でありたいですね。

 

『通訳・翻訳ブック』編集部

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