発声も発音の一部?【英語発音上達のコツ】

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レベルやキャリアを問わず、関心の高い「英語の発音」。英語音声学や発音指導のプロである青山学院大学准教授の米山明日香さんが、その上達のコツを、テーマごとに詳しく解説します。今回のテーマは「発声と発音」です。

発声を改善すると、発音が格段に良くなる

前回の「発音のセルフチェック」では、自分の通訳パフォーマンス、または英語での発話を録音したものを自分で聞き、評価することが英語発音向上の1つのコツだと書きました。その際のチェックリストには下記の5項目を列挙しました。

  1. 発声
  2. 声のトーン
  3. 話す速度
  4. 単調な話し方(= 単調なイントネーション)
  5. 単音(母音・子音)

一般的に英語学習者が考える発音とは5のことです。これは英語発音矯正講座、英語発音徹底訓練講座の受講生への事前アンケートからもうかがえることです。事前アンケートの多くには「“l”と“r”の発音の区別が苦手です」「子音がいくつも続いたときの発音がうまくできません」「“cut”の“u”の音と、“cat”の“a”の音の区別がつきません」といった具合に、単音に関する問題点を英語発音上の問題点と捉える方が多いです。
しかし、上記の1~5などを総合して、発音なのです。

1~5の中で特に軽視されがちなのが、1の発声です。
ある研究によると、日本人女性の一般的な声の高さは、英語圏の女性の一般的な声の高さより、かなり高いという報告があります。男性の場合、この傾向は女性ほどには大きくはありませんが、同じような傾向がみられます。これには文化的要因、身体的要因など、さまざまな要因が考えられます。一説には、日本人と英語圏に暮らす人では呼吸法が異なるという研究者もいます。しかし、いずれの要因でも、発声をしっかりとして、自分が意図するメッセージを正確に届けることが非常に重要なのです。

受講生の中には、発声方法に問題があるのに、それが原因だと気づかず、個々の音ができないことをもって「発音が苦手」と理解している方を多く見受けます。この場合、発声を改善すると、発音が格段によくなるのです。

このように、個々の発音も重要ですが、発声は非常に重要と言えます。これを改善するためにはまず、日ごろから発声の練習をすることが大切です。では、どのように行えばよいのでしょうか。それは前回も書きましたが「セルフチェックをする」ことです。

英字新聞の一記事でもご自身が気に入っている本の一節でもよいので、それを声に出して録音してみましょう。ポイントは録音機材を自分のいるところから2~3メートルほど離してみることです。録音した音声を聞いたとき、聞こえづらいところこそ改善を要する箇所です。以下の点を特に注意して聞いてみるとよいでしょう。

  1. 声は届いているか
  2. 発話は明確か
  3. 発話の間(ま)が適切か
  4. 全体として、聞きやすいか

また、セルフチェックが終わったら、今度はネイティブスピーカーやネイティブスピーカーに準じる友人や知人に聞いてもらい、問題点を指摘してもらうのも一案です。

  
 

※この記事は2013~2014年にCAISウェブサイト内『通訳情報ステーション』に掲載されたものです。 

 

米山明日香(よねやまあすか)

青山学院大学社会情報学部准教授博士(文学)。専門は英語音声学、英語教育、発音指導、英語プレゼンテーションなど。大学卒業後、英国University College Londonに留学し、音声学修士号(MA in Phonetics)を取得後、日系航空会社勤務、通訳者、大学講師などを経て現職。公式ブログ:http://blog.livedoor.jp/bihatsuon/

 

 

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