試してみよう! 数字の通訳:前編(練習動画付き)

2回にわたりお届けする「試してみよう!数字の通訳」。前編では、サイマルの専属通訳者であるかく地茂さんが、数字を正確に訳出する重要性についてお話しします。さらに、数字の通訳を練習できる動画をご紹介!スキルアップにお役立てください。

 

「通訳」とは、異なる言語を話す人たちの意思の伝達を正確に行う作業です。そのために、一字一句を他の言語に置きかえるように直訳するのではなく、話し手の意図、意志またそのニュアンスを正確に他言語で表現することが重要になります。

 

例えば、日本語の表現をそのまま英語に置きかえても、話者の意図することが正確に理解されないことがあるため、それを、英語で最も正確かつ自然に伝える表現を工夫することが「通訳」の作業です。

 

ただ、その考え方が適用されない通訳の場面があります。それが「数字の通訳」です。
言語を問わず、数字の意味はすべて共通で、不動です。つまり、真実である数字はそのまま直訳することでしか、それが持つ真実を正確に伝達できないのです。そこには聞き手のことを考えての表現の工夫などが入り込む余地は全くありません。さらに、数字は言葉だけでは網羅できない事実全体を表現しており、いかに言葉を尽くしても伝達できない事実でも、数字を示せば正確に理解されるのです。数字を正確に通訳する重要性はここにあります。

 

例を挙げれば、会社の業績発表です。売上、利益など、数字を示せばその会社の状況が正確に伝わります。言い換えれば、それらの数字を通訳する際、正確さが少しでも欠ければどんな言葉を尽くしても補えない「誤訳」になってしまいます。話者があえて断らない限り、数字の通訳において「概略の通訳」はあり得ません。その意味で数字は「通訳」するのではなく、「置きかえる」ことが必須なのです。

 
数字の通訳練習ができる動画です。聞こえてくる数字(英語/日本語)をそれぞれ訳出してみましょう。

数字の通訳(英語から日本語) 視聴時間:約20分

 

 

 数字の通訳(日本語から英語) 視聴時間:約15分

 

かく地茂
かく地茂(かくちしげる)※「かく」は山かんむりに各

サイマル・インターナショナル専属通訳者通訳者養成学校にて学んだのち、モントレー国際大学にて通訳スキルを更に磨く。1989年よりプロ通訳者として科学技術、エネルギー、国際関係と、幅広い分野で活躍中。CAIS(通訳技能向上センター)の理事も務める。

【続きはこちらから】試してみよう! 数字の通訳【後編】

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